断熱材ランキングTOP15を性能の高さ順に紹介!
選ぶ時のチェックポイントとは?

断熱材には素材や製法によって様々な種類があり、それぞれの断熱性能も異なります。

近年では、ZEB(年間の一次エネルギー消費量の収支が正味ゼロ、もしくはマイナスの建築物)や建築物省エネ法の改正が進められており、省エネで快適に過ごせる建築物への需要が高まると予想され、どの種類の断熱材が高性能なのか気になる方も多いでしょう。

この記事では、断熱性能の高い順に断熱材を紹介し、選ぶ際に意識すべきポイントも解説します。

これから断熱性能の高い家を提案したいハウスメーカーや工務店の担当者は、ぜひ参考にしてください。

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断熱材の性能はどう決まる?


断熱材の性能を知るには、主に「熱伝導率」と「密度」の2つ観点があります。

熱伝導率とは熱の伝わりやすさを示す数値で、値が小さければ小さいほど熱が伝わりにくく、断熱性能が高いことを表します。断熱材が熱を伝えにくい理由は、その内部に気体を保持しているためです。

熱伝導率が低い素材でも、密度が低ければ断熱性能が低くなるケースもあり、熱伝導率以外に密度も重要な指標です。

【断熱性能順】断熱材ランキングTOP15


熱伝導率を基準に断熱性能の高い断熱材を15個ランキング形式で紹介します。なお、熱伝導率が同じ場合は、より密度の高い断熱材を上位としました。

順位

断熱材の種類

熱伝導率

密度

 A種フェノールフォーム保温板1種1号

 0.022以下

 45以上

 A種フェノールフォーム保温板1種2号

 0.022以下

 25以上

 A・B種硬質ウレタンフォーム保温板2種1号

 0.023以下

 35以上

 A・B種硬質ウレタンフォーム保温板2種2号

 0.024以下

 25以上

 B種硬質ウレタンフォーム保温板1種1号

 0.024以下

 35以上

 B種硬質ウレタンフォーム保温板1種2号

 0.025以下

 25以上

 A種硬質ウレタンフォーム保温板2種3号

 0.027以下

 35以上

 A種フェノールフォーム保温板2種3号

 0.028以下

 25以上

 A種硬質ウレタンフォーム保温板2種4号

 0.028以下

 25以上

 A種押出法ポリスチレンフォーム保温板3種

 0.028以下

 25以上

11 

 A・B種ウレタンフォーム保温板1種

 0.029以下

 35以上

12 

 A種フェノールフォーム保温板2種2号

 0.034以下

 35以上

13 

 A種ポリエチレンフォーム保温板3種

 0.034以下

 10以上

14 

 A種押出法ポリスチレンフォーム保温板2種

 0.034以下

 25以上

15 

 A種ビーズ法ポリスチレンフォーム保温板特号

 0.034以下

 27以上

断熱材の特徴


ランクインした断熱材の特徴を紹介します。

断熱材の種類

特徴

 フェノールフォーム

  • フェノール樹脂に発泡剤や硬化剤などを加えて発泡させたもの

 ウレタンフォーム

  • 細かい気泡の中に熱伝導率の低いガスが含まれており、厚みがなくても断熱性能が高い
  • A種は発泡剤にフロン類を使っていないもの、B種は発泡剤にフロン類を使ったものをさす

 押出法ポリスチレンフォーム

  • 発泡剤や添加剤を混ぜてから押し出し、板状に発泡させたもの
  • フロンガスを使用しておらず、有害物質のホルムアルデヒドを出さないので安全性が高い

 ビーズ法ポリスチレンフォーム

  • ポリスチレン樹脂と発泡剤でできたビーズを予備発泡させた後、金型に入れて加熱しさらに発泡させて作る
  • Expanded Poly-Styreneの頭文字を取ってEPSと呼ばれることもある

 ポリエチレンフォーム

  • ポリエチレンを発泡させた断熱材で軽く柔らかい特性を持つ

断熱材の種類についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひご覧ください。

▶関連記事:断熱材にはどんな種類がある?それぞれの特徴や選び方、導入するメリットを解説

断熱材を選ぶ際にチェックしておきたいポイント


今まで断熱性能の高い断熱材を紹介しましたが、断熱材は断熱性能だけでなく、他にもチェックしておきたいポイントがあります。具体的には以下の2つです。

  • 施工箇所に合っているか
  • コスト面で問題ないか

それぞれのポイントを詳しく解説します。

施工箇所に合っているか

断熱材は、施工箇所に適したものを選んで設置しましょう。例えば湿気の多い場所に断熱材を設置する場合、水に強いタイプでないと十分な性能を発揮しません。

キッチンや洗面所などの水回りでは、水に強いウレタンフォームやフェノールフォームが最適です。

また、万が一の火災を考えて、火を使うキッチンには燃えにくい断熱材を使用し、断熱材が燃焼時に有毒ガスを発生させないかどうかも確認しましょう。

例えばウレタンフォームの断熱材は燃えると有毒ガスの「シアン化水素」が発生するので、キッチンの断熱材には不向きです。

コスト面で問題ないか

断熱材を選ぶ際にはコストも重要です。例えば、フェノールフォームは高い断熱性能を持ち、耐水性・耐久性にも優れます。しかし、その分価格も高く、家の全面に使用すると予算オーバーになるケースもあります。

一方で、無機繊維系断熱材のグラスウールは水に弱く、フェノールフォーム1種に比べて熱伝導率も0.02以上高いため、性能は劣ります。

しかし、断熱材としてしっかり機能する上に比較的安価で入手できるため、湿気の少ない場所に使用する場合はコストを抑えられて機能も問題ありません。

ただ性能の高い断熱材を使えば良いのではなく、性能や機能とコストのバランスを取って断熱材を選びましょう。

幅広い性能の断熱材なら
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断熱材には断熱性能の高いものもあれば低いものも存在します。一概に断熱性能の高さだけで断熱材を選ぶのではなく、使う場所に合うか、コストとの兼ね合いも考える必要があります。

幅広い性能の断熱材を探しているなら、JAPAN BUILDの「【高性能】建材・住設 EXPO」への来場をおすすめします。

JAPAN BUILDの「【高性能】建材・住設 EXPO」は、オフィスビル、マンション、工場、学校、病院などの施設オーナー・管理会社、住宅メーカー、ゼネコンが来場する専門展示会です。

毎年東京と大阪で年2回開催しており、併催するセミナーでは最新の業界動向や各社の取り組み、出展社の製品・事例紹介が行われます。

2024年の東京展では、シリカを主原料としたマイクロポーラス断熱材の製造・販売を行うシルサーム・ジャパン株式会社、気候環境の厳しい北海道をはじめ全国で施工実績を積み重ねた外断熱のパイオニア企業である岩倉化学工業株式会社、建築断熱用硬質ウレタンフォームを販売・施工する株式会社 日本アクアが出展しました。

2024年の大阪展では、環境負荷の少ない断熱材を扱う松原産業株式会社、発泡ウレタンフォーム断熱材「ダルトフォーム」の施工・販売を手がけるDフォーム株式会社、業界最高の断熱性能を誇るフェノール系断熱材「フェノバボード」を扱うフクビ化学工業株式会社が出展しました。

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出展をご検討の企業様は、こちらもあわせてご覧ください。
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【展示会 開催情報】

<東京展>会期:2025年12月10日(水)~12日(金) 会場:東京ビッグサイト

<大阪展>会期:2026年8月26日(水)~28日(金) 会場:インテックス大阪

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断熱材の違いを理解して選ぼう


断熱材を15種類、断熱性能が高い順にランキング形式で紹介しました。フェノールフォームやウレタンフォームは熱伝導率が低く、断熱性能が高い素材ですが、その分コストが高い特徴があります。

性能の高さだけではなく、場所によってはグラスウールなど他の断熱材も視野に入れ、予算や断熱性能以外にも注目して断熱材を選ぶと、機能とコストのバランスが取れた断熱材選びができます。

JAPAN BUILDの「【高性能】建材・住設 EXPO」なら、実際の製品を見れたり、担当者から話を聞いたりできます。幅広い性能の断熱材を探しているハウスメーカーや工務店の担当者は、ぜひJAPAN BUILDの「【高性能】建材・住設 EXPO」へご来場ください。

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監修者情報

野村 正樹 (のむら まさき)
(株)ローバー都市建築事務所 代表取締役
一級建築士 / インテリアコーディネーター / 宅地建物取引士 / 古民家鑑定士一級

同志社大学法学部を卒業後、京都工芸繊維大学造形工学科へ編入学。(株)NEO建築事務所を経て、2000年「ローバー都市建築事務所」設立。後に、京都工芸繊維大学大学院建築設計学 前期博士課程修了。2006~2018年 毎日新聞京都版 朝刊「きょうと空間創生術」第1回~第274回執筆掲載。

ローバー都市建築事務所の公式ホームページはこちら
https://www.rover-archi.com/

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