工務店DXとは?
導入が必要な理由や成功するポイントを解説

工務店のオーナーの中にはDX化を進めたいと考えていても、何をどうはじめれば良いのかわからず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

工務店DXはうまく導入できれば業務効率が高まり大きな効果を実感できますが、やり方によっては逆効果となる可能性もあります。

この記事では、工務店DXの基礎知識に加えて、メリット・デメリットや成功のポイントも解説します。工務店DXを推進したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

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工務店DXとは?


DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル化で社会や生活のスタイルが変化することです。工務店DXは、デジタル技術を活用して社内の働き方や組織体制を見直し、工務店の業務効率化やサービス向上を目指す取り組みをさします。

工務店DXの具体的な例として、施工管理のデジタル化が挙げられます。システムを使って施工管理を行うと、書類作成や情報共有が容易になるので、作業の手間を削減でき、業務効率を高められます。

工務店DXが必要な理由


自分の工務店にはDX化が必要なのかと感じるオーナーも多いでしょう。しかし、工務店DXは今後必要になる可能性が高いです。

工務店DXが必要な理由は、以下の2つです。

  • 人材不足に対応するため
  • 消費者行動の変化に対応するため

それぞれの理由を詳しく解説します。

人材不足に対応するため

工務店DXが必要な理由は、人材不足への対応が挙げられます。現在、建設業界は人材不足が深刻化しており、従業員一人あたりの負担が増加しやすい状況です。その結果、対応の遅れや勤務時間の長時間化などの問題に繋がります。

DXを取り入れれば業務を効率化できるため、従業員一人あたりの負担が減り、少ない人員で業務に対応できるようになります。

消費者行動の変化に対応するため

スマートフォンやタブレットなどデジタルツールの普及により、消費者の行動が変化しています。最近では、打ち合わせや住宅見学などをオンラインで実施することが増え、従来のアナログな方法だけではニーズに応えられない場面も増えてきました。

現在は住宅市場が縮小傾向にあるため、デジタル化の流れに乗り遅れると顧客を失うリスクが高まる可能性があります。

工務店DXを推進するメリット


工務店DXは推進する必要性があるだけでなく、工務店にとっても様々なメリットをもたらします。具体的には以下のとおりです。

  • 業務の効率化に繋がる
  • 余計なコストを削減できる
  • 顧客満足度が上がりやすい

それぞれのメリットを詳しく解説します。

業務の効率化に繋がる

DX化すると業務の工程が簡易化されるため、業務の効率化が可能です。例えば、今まで紙で管理していた書類や報告書にデジタルツールを取り入れた場合、情報の更新や共有、書類の作成にかかる手間が省けます。

業務を効率化すれば作業にかかる時間も減るので、時間外労働の削減に繋がったり、より多くの案件を受注できたりもします。

余計なコストを削減できる

デジタルツールを活用すると、管理しやすくなるので余計なコストを削減できます。例えば資材管理にツールを導入すれば正確に在庫の把握ができるため、無駄な発注を防げます。

また、DXを進めれば作業や管理にかかる人員を少なくできるため、人件費の削減にも繋がります。

顧客満足度が上がりやすい

工務店がDX化を進めると、顧客満足度が上がりやすい点もメリットです。オンラインでの打ち合わせに対応した工務店であれば、遠方に住んでいる方でも時間や手間がかからずに取引を進められるので、顧客の利便性が高まります。

また、顧客情報をデジタルで管理すれば過去のやりとりをすぐに確認できます。個人に合わせた丁寧な対応ができるため、顧客からも好印象を得られるでしょう。

工務店DXを推進するデメリット


工務店DXにはメリットがある一方で、以下のとおりデメリットも存在します。

  • 導入や維持にコストがかかる
  • 従業員から不満が起こる可能性がある

それぞれのデメリットを詳しく解説します。

導入や維持にコストがかかる

DX化を進めるにはデジタルツールやシステムが必要不可欠ですが、導入や維持にはコストがかかります。今後、コストを払い続けられるのかどうか、確認が必要です。

また、特にシステムの導入初期は、従業員がツールの操作や業務フローに不慣れなため、かえって業務効率が下がったと感じるかもしれません。しかし、従業員が操作に慣れてくれば今までよりも業務効率が向上します。

DX化の効果を感じるためには、誰でも簡単に操作できるシステムを選択しましょう。

従業員から不満が起こる可能性がある

DX化を推進すると、従業員から不満が出る可能性があります。デジタルツールの操作に慣れていない従業員がいる場合、「前の方が良かった」と不満の声があがるかもしれません。

導入前にDX化の目的やメリットの説明、操作方法の説明や研修を丁寧に行い、従業員の理解を得ましょう。

工務店DXを成功させるためのポイント


DXは導入方法を間違えると、失敗に終わるケースもあります。工務店でDX化を成功させるためのポイントは、以下のとおりです。

  • 人に依存する業務をなくす
  • 単純な作業からDX化する
  • 導入後も改善し続ける

それぞれのポイントを詳しく解説します。

人に依存する業務をなくす

DX化するにあたって、人に依存する業務をなくしましょう。

工務店では、業務が属人化しやすい傾向があります。案件の担当者でないとわからないことが多く、ひとりに負担が集中することもあるでしょう。また、業務が属人化していると担当者が不在の際に対応できないため、顧客側にとっても不利益です。

デジタルツールを使って情報共有すれば、担当者でなくても対応できるようになります。ノウハウや技術の蓄積・共有にもなるため、社内全体の技術力・知識の底上げにもなります。

単純な作業からDX化する

まずは報告書や経費申請などの単純な作業からDX化をはじめましょう。小さな範囲からはじめれば、社内の反応や効果を確認しながらDX化を進められます。

突然大きく業務の流れを変えるよりも簡単な部分からDX化を進めた方が、従業員も抵抗なくDX化を受け入れやすいです。

導入後も改善し続ける

デジタルツールやシステムを導入した後も、業務の流れを改善し続けましょう。DX化は導入がゴールではなく、導入後も運用を続けなければなりません。

現場の声にも耳を傾けながら、業務の中で改善点を探し続けて自社に合ったやり方を追求していきましょう。

工務店DXで導入するシステム


工務店DXを成功させるポイントがわかったところで、具体的に導入すべきシステムの例を紹介します。

  • 見積・積算システム
  • 顧客管理システム
  • 施工管理システム

それぞれのシステムで何ができるのかを詳しく解説するので、自社に導入する際の参考にしてください。

見積・積算システム

見積・積算システムは材料費や人件費など、プロジェクトごとのコストを計算するシステムで、見積書や積算業務にかかる手間を減らせます。

手作業に比べて正確性が高く、自動で計算するため数量変更があった際にもすぐに結果の修正が可能です。

顧客管理システム

顧客管理システムは顧客情報をデジタルで一元管理できるツールです。管理できる情報の一例は、以下のとおりです。

  • 氏名
  • 住所
  • 連絡先
  • 住宅の情報
  • 過去の取引・やりとりの内容

工務店の現場は多種多様なため、現場や担当者で管理する情報が異なったり記録や管理が漏れたりすることがあります。結果、情報不足が原因で顧客のニーズが見えづらくなるケースもあります。

顧客管理システムを使えば、どの現場でも管理・記録する情報の統一が可能です。顧客のニーズが捉えやすくなるため、より顧客にあった対応ができます。

また、工務店では顧客との付き合いが長くなることがほとんどです。顧客管理システムを導入すれば過去の取引履歴をすぐに確認できるため、離職などで担当者が途中で変わった場合でもスムーズに対応できます。

施工管理システム

施工に関する工程をまとめて管理できるシステムです。管理できる工程の一例は以下のとおりです。

  • 予算
  • 原価
  • 工程
  • 作業日報
  • 発注状況

施工管理システムを導入すると工事に関わる人材や資金、資材などを全て管理できるため、必要な情報を必要な時に使いやすい点がメリットです。また、リアルタイムで情報共有できるため、経営判断や関係者への情報連携がスムーズになります。

施工管理システムについてより詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひご覧ください。

▶関連記事:施工管理システムおすすめ4選を紹介!主な機能や製品の選び方を解説

工務店DXの導入を検討中なら
JAPAN BUILDの「住宅産業DX展」へ


工務店のDX化を進めると関係者に情報共有しやすくなり、手間が削減されて業務効率がアップします。しかし、導入の方法を間違えると失敗に終わり、予想したとおりの効果が得られません。

DX推進を検討中の工務店経営者には、JAPAN BUILDの「住宅産業DX展」への来場をおすすめします。

JAPAN BUILDの「住宅産業DX展」は、工務店、ビルダー、住宅メーカー、リフォーム会社などの専門家が来場する工務店・住宅業界のDXの専門展示会です。

2025年から東京と大阪にて新規開催予定で、併催するセミナーでは最新の業界動向や各社の取り組み、出展社の製品・事例紹介が行われます。JAPAN BUILD-建築の先端技術展-では、建築・建設・不動産業界に関する製品が一堂に出展しています。

2024年の東京展では、DX推進だけでなく経営指標の把握にも役立つシステム「プロワン」を提供する株式会社ミツモア、建設業特化の業務支援AIチャット・AIコンストシェルジュ「光/Hikari」を提供する燈株式会社、建設・工事業に特化したクラウドサービスを開発・販売するあさかわシステムズ株式会社が出展しました。

2024年の大阪展では、配管に関して図面化~加工~納品までDXを活用した最先端設備・熟練技術者がサポートするサービスを展開する三興バルブホールディングス株式会社、AIを中心にシミュレータや点群、重機自動化など幅広い技術を保有する株式会社アラヤ、建築・土木の工事情報を地図とダッシュボードで可視化するArcGISの日本総販売代理店ESRIジャパン株式会社が出展しました。

JAPAN BUILD「住宅産業DX展」について詳細はこちら

出展をご検討の企業様は、こちらもあわせてご覧ください。
JAPAN BUILD「住宅産業DX展」の出展について詳細はこちら

【展示会 開催情報】

<大阪展>会期:2025年8月27日(水)~29日(金) 会場:インテックス大阪

<東京展>会期:2025年12月10日(水)~12日(金) 会場:東京ビッグサイト

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工務店DXを推進して業務効率を改善しよう


工務店DXの基礎知識やメリット・デメリット、成功のポイントなどを紹介しました。人材不足や働き方の課題に対応する手段として、工務店DXの導入は大きな効果を発揮します。

ただし、導入方法を誤るとかえって業務効率が下がる場合もあるため、ポイントを押さえた導入が必要です。例えば属人化している業務の見直しや、単純な作業からのデジタル化など、自社に合った方法を選びながら進めましょう。

DX化の具体的なイメージをつかみたい方や、実際のツールを見てみたい方は、ぜひJAPAN BUILDの「住宅産業DX展」へご来場ください。

JAPAN BUILD「住宅産業DX展」について詳細はこちら


監修者情報

青井真吾

大学卒業後はIT企業に入社。システムエンジニアとして大手企業向けのERPシステム開発を経験。その後独立し、人材派遣、不動産、自動車、ファッション、エネルギーなど多くの業界でDX推進などのITプロジェクトに従事。現在はAOIS Consulting株式会社を設立し、エンタープライズシステムの開発・導入を支援するITコンサルティングサービスを展開している。

HP: https://aoisconsulting.com/

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