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断熱材にはどんな種類がある?
それぞれの特徴や選び方、導入するメリットを解説
断熱性能が低い住宅は、冬場暖房を入れてもなかなか温まらず快適さに欠けてしまいます。対策として床や壁に断熱材を取り入れると、暑さや寒さの影響をなるべく受けずに快適に過ごせます。
しかし、断熱材には様々な種類があるため「どういった違いがあるのか」「導入のメリットとは何か」など疑問に思う方は多いでしょう。
この記事では、断熱材の特徴や導入するメリット、断熱材の種類ごとの特徴を解説します。断熱材選びに迷ったら、ぜひ参考にしてください。
断熱材とは?
断熱材は、建物の外部と内部との熱貫流(熱移動)を防ぐために欠かせない素材です。
壁や床など、普段生活していて見えない部分に使われていますが、外の熱い空気が内部に伝わりにくくするなど重要な役割を担っています。
断熱材の素材は様々で、特徴が異なるため、施工する場所や建物に適したものを選びましょう。
断熱材を導入するメリット
住宅に断熱材を導入すると、以下のメリットがあります。
- 季節問わず快適に生活できる
- 省エネに繋がる
それぞれ詳しく解説します。
● 季節問わず快適に生活できる
壁や床などに断熱材を入れると、熱の伝えやすさをあらわす熱貫流率が下がり、外気温の影響を受けない快適な室内を保てます。
断熱している住宅は、夏でも外気温に影響されず、冷房で室内を涼しくすることで快適な温度を維持することが可能です。
また、開口部も断熱性能が高いガラスやサッシを取り入れると、より効果が発揮されます。季節を問わず快適に過ごせるようになるでしょう。
● 省エネに繋がる
断熱材が入っている建物では、一度エアコンなどで室内の温度を整えれば温度を保ちやすくなります。冷暖房を長くつける必要がないため、省エネやCO2削減にも繋がる可能性があります。
環境に優しいだけでなく光熱費の削減にもなり、家計にも嬉しい素材です。
一般的に使用される断熱材の種類
一般的に使用される断熱材は、主に以下の3種類です。
断熱材には様々な種類が存在しますが、本章では一般的に使用される主なものを紹介します。
● 無機繊維系
無機繊維系の断熱材は、主に以下の2種類です。
- グラスウール
- ロックウール
グラスウール
グラスウールは、リサイクルされたガラスなどを高温で溶かして、繊維にした素材です。複雑に絡んだガラス繊維の間に空気層ができ、熱の伝導を防ぎます。
比較的安価で断熱性が高いため、多くの住宅の断熱材に使われています。また、無機繊維系なので経年変化が少なく、耐久性が高い点も魅力です。
ロックウール
ロックウールは、溶かした鉱物を繊維状にした素材です。鉱物から加工されているため、火に強く燃えにくい性質を持ちます。
加熱しても変形しにくいですが、湿気を吸収しやすいため、施工時は湿気対策が必要です。グラスウールと特徴は似ていますが、グラスウールよりも体積が大きくて重く、保管や移動させる際にやや不便さを感じるかもしれません。
● 木質繊維系
木質繊維系の断熱材は、主に以下の2種類です。
- セルロースファイバー
- ウッドファイバー
それぞれの特徴について解説します。
セルロースファイバー
セルロースファイバーは、古新聞や古紙などをリサイクルし、綿のように加工された素材です。細かい繊維で壁などの空隙をしっかりと埋めることが可能です。
また、セルロースファイバーは吸湿性が高く、室内を適度な温度に保ってくれるため、環境にも優しい素材と言えます。
ただし、セルロースファイバーをはじめとする木質繊維系は水に弱いため、施工場所によっては適さない場合もあります。
ウッドファイバー
ウッドファイバーは、木材から作られた自然素材です。断熱性能の他に、吸音性や調湿性にも優れており、多くの住宅に使用されています。
倒木や間伐材などを利用しているため、環境にも優しい断熱材です。ウッドファイバーを選ぶことで、地球温暖化防止や森林保全に貢献できるでしょう。
● 発泡プラスチック系
発泡プラスチック系の断熱材は、主に以下の2種類です。
- ウレタンフォーム
- ポリスチレンフォーム
ウレタンフォーム
ウレタンフォームは、ポリウレタン樹脂を原料に作られています。小さな気泡が集まってできており、中に熱伝導が小さいガスが含まれている構造です。
発泡プラスチック系の中でも、断熱性能の高さが特徴です。耐候性も高く外部の湿気や天候に影響を受けにくいため、長期間断熱効果を維持できます。ただし、ウレタンは燃える性質があり、火に弱い点を留意して施工しなければなりません。
ポリスチレンフォーム
ポリスチレンフォームは、名前のとおり、ポリスチレン樹脂で構成されています。構成している樹脂の泡が独立しており、水や空気を通しにくい点が特徴的です。
断熱性の他に、防水性や防湿性にも優れています。特に湿気の影響を受けにくく、長期間安定して断熱材として使用可能です。柔らかく、軽量で扱いやすいため、施工時にも扱いやすいでしょう。
断熱材の選び方
断熱材を選ぶ際は、以下のポイントに注目して選びましょう。
- 断熱性能で選ぶ
- 施工箇所に応じて選ぶ
● 断熱性能で選ぶ
断熱材を選ぶ上で、どの程度の熱を遮断できるかをあらわす「断熱性能」は重要なポイントです。
断熱性能は熱伝導率の値であらわされ、熱伝導率が低いほど断熱性能が高く、熱伝導率が高いほど断熱性能が低いです。
断熱効果を持つ素材を選ぶためには、熱伝導率と断熱性能をチェックする必要があります。
● 施工箇所に応じて選ぶ
断熱材は種類ごとに特徴があり、どういった住宅に適しているかも異なります。断熱材を選ぶ際は、施工箇所に応じて適したものを選ぶ姿勢が大切です。
例えば、発泡プラスチック系の断熱材は火に弱いため、キッチンなど火を扱う部屋の断熱材には使わない方が良いでしょう。一方で、無機繊維系の断熱材は水に弱いため、雨漏りの可能性がある天井の断熱材には不向きです。
断熱材は、施工後に交換や入れ直しが難しいため、断熱材選びは慎重に行いましょう。
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また、2023年大阪展では、断熱材付きパネルや屋根パネルなどを取り扱う松原産業株式会社、 ALC(軽量気泡コンクリート)や断熱材を取り扱う旭化成グループの旭化成建材株式会社なども出展しています。
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出展をご検討の企業様は、こちらもあわせてご確認ください。
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断熱材は種類ごとの特徴を理解して選ぼう
断熱材を入れると、外部の温度に左右されず室内を快適に保てます。光熱費の削減にも繋がるため、家計にも嬉しい影響があるでしょう。
断熱材は無機繊維系、木質繊維系、発泡プラスチック系と種類があり、さらにグラスウール、セルロースファイバー、ウレタンフォームなどの種類に分けられます。
この記事で紹介したとおり、素材ごとに特徴が異なるため、比較した上で施工先にあったものを選ぶことが大切です。
断熱材の販路拡大や新規導入を図るなら【高性能】建材・住設EXPOへの出展・来場をご検討ください。
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監修者情報
石橋優介建築設計事務所 代表 石橋優介
管理建築士/一級建築士
1984年 広島生まれ。2009年に広島大学大学院社会環境システム専攻 修士課程修了(建築意匠学研究室)。2009~2012年に株式会社plus’d,architect 一級建築士事務所、2012~2015年に株式会社鳳建築設計事務所、2015~2019年に株式会社あい設計を経て、2019年「石橋優介建築設計事務所」設立。