商業施設やオフィスのフルリノベーション費用はどのくらいかかる?相場や注意点を解説

「顧客の満足度を高めるために綺麗な店舗にしたい」「従業員が快適に働ける環境を作りたい」などの目的で、店舗やオフィスのフルリノベーションを検討するオーナーもいるでしょう。

しかし、店舗やオフィスのリノベーションにはコストや時間がかかるため、納得のいくリノベーションを行うためにも慎重に進めたいところです。

この記事では、商業施設やオフィスのフルリノベーションを考えている方に向けて、費用の相場を紹介します。利用できる可能性がある助成金や補助金も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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フルリノベーション費用の相場(商業施設・オフィス) 


一般的に、リノベーションするスペースの面積が狭いほど坪単価は高額になり、広さがあるとやや安くなる傾向にあります。

まずは、商業施設やオフィスのフルリノベーションにかかる費用相場を以下の施設ごとに紹介します。なお、紹介するものはあくまで相場であり、店舗の規模やリノベーション箇所に応じて異なります。

  • オフィス
  • 公共施設・商業施設
  • 飲食店
  • 小売店
  • 美容室・エステサロン

オフィス

オフィスのフルリノベーションの相場は、坪単価30万円前後です。40坪程度のオフィスであれば、1200万円前後となるでしょう。なお、部分的なリノベーションの場合、坪単価は10万円前後です。

オフィスのどこをリノベーションしたいか、用いる建材などによってかかる費用は変わります。リノベーションしたい場所の面積を把握した上で検討しましょう。

公共施設・商業施設

公共施設・商業施設のリノベーション費用相場は、場所や内容によってかなり大きく異なります。実際の施設フルリノベーションの費用をもとに解説します。

例えば、関西で打出教育文化センターと隣接する打出公園の利便性を目的に行われたリノベーションでは、カフェスペースやキッズスペースなどを一新し、面積999.99㎡に対して施工金額は2,950万円(税込)でした。

また、関西で男女共同参画センターや市民活動センターとして使用していた施設のリノベーションでは、面積234.65㎡に対し施工金額は1,500万円(税込)でした。

内装は綺麗な状態でしたが、子どもや中高生も含む若年層にも対応する目的でリノベーションが行われました。

上記のように、施設の規模や設計、リノベーション内容によってかかる費用は大きく変動します。

飲食店

飲食店のフルリノベーションの相場は、坪単価20〜60万円前後です。例えば、50坪程度の店舗であれば、1000万〜3000万円程度です。

飲食店は調理するために水回りの設備が多いため、坪単価が上がる傾向にあります。厨房設備もあわせてリノベーションする場合、さらに費用がかかる場合もあります。

小売店

小売店のフルリノベーションの相場は、坪単価20〜40万円前後です。例えば、40坪程度の店舗であれば、800万円から1600万円です。

設備を少なくても経営できる小売店は、内装工事に費用をかけなければ、坪単価20万前後に抑えられます。高価な建材を使ったり、デザインにこだわったりすると、やや単価は上がるでしょう。

美容室・エステサロン

美容室やエステサロンのフルリノベーションの相場は、坪単価20〜50万円前後です。例えば、40坪程度の美容室・エステサロンであれば、800万円から2000万円程度です。

美容室やエステサロンは水回りの施工が必要なため、小売店と比べるとやや高めになりやすい傾向にあります。おしゃれな内装やデザインを取り入れると、もう少し費用がかかるでしょう。

リノベーション費用を予算内に抑えるには?


先述のとおり、商業施設やオフィスのリノベーション費用は高額になりやすいため、予算が決まっている場合は慎重に検討する必要があります。できるだけ予算内に費用を抑えるためには、以下のような工夫をしましょう。

  • リノベーションしたい箇所を明確にする
  • 補助金・助成金制度を利用する

それぞれ詳しく解説します。

リノベーションしたい箇所を明確にする

フルリノベーションの場合、どうしても費用は高額になりやすいです。全てリノベーションする必要があるかどうか考えて、部分的なリノベーションで済むか検討しましょう。

リノベーションしたい箇所を明確にすると、費用を抑えられる可能性があります。こだわりたい部分は高価な素材を使用し、トイレや給湯室などは内装をシンプルにするなど、場所によって使用する素材を変えるのもひとつの手です。

補助金・助成金制度を利用する

施設やオフィスのリノベーションにあたり、補助金や助成金を利用できる可能性があります。経営改善が見込まれる場合、中小企業の挑戦をサポートする補助金もあるため、事前に確認しましょう。

オフィスや商業施設のリノベーションで、利用できる可能性がある補助金や助成金には以下があります。

  • 小規模事業者持続化補助金
  • 業務改善助成金
  • 事業再構築補助金

それぞれ詳しく解説します。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、商工会議所の管轄地域で事業を営んでいる小規模事業者等を対象とした補助金です。地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の、生産性向上と持続的発展を図ることを目的としています。

通常枠の場合、以下の補助が受けられます。

通常枠の他、賃金引上げ枠や後継者支援枠などがありますが、いずれかひとつの枠のみ申請が可能です。

業務改善助成金

業務改善助成金は、生産性向上を目的として機械設備や人材育成をはじめ設備投資などを行うとともに、事業場内最低賃金を定められた金額以上に引き上げた場合、設備投資などにかかった費用の一部を助成する制度です。

申請の対象事業者は以下に当てはまる方です。

  • 中小企業や小規模事業者であること
  • 事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内であること
  • 解雇、賃金引き下げなどの不交付事由がないこと

※出典:厚生労働省「業務改善助成金」

なお、業務改善助成金の補助上限額は、引き上げる最低賃金額および引き上げる労働者の人数に応じて変動します。

2024年度の業務改善助成金の補助上限額は以下のとおりです。

※10人以上の上限額区分は、一定の要件を満たす「特例事業者」が対象
※出典:厚生労働省「業務改善助成金」

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、事業再編など、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援するための助成金です。補助金を利用できる基本要件として以下が定められています。

  • 事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること
  • 事業計画に関して金融機関等や認定経営革新等支援機関の確認を受けること
  • 補助事業終了後3~5年で付加価値額の年平均成長率3~5%(事業類型 により異なる)以上増加、または従業員一人当たり付加価値額の年平均成長率3~5%(事業類型により異なる)以上増加の達成

その他、事業類型ごとに対象要件があるため、事前にチェックしましょう。事業類型ごとに補助上限額や補助率が決められています。例えば、以下の事業類型があります。

商業施設やオフィスをリノベーションするメリット


商業施設やオフィスのリノベーションをすることで得られるメリットには、以下のものが挙げられます。

  • 企業イメージがアップする
  • 従業員のモチベーションが上がる
  • 経費削減に繋がる

それぞれ詳しく解説します。

企業イメージがアップする

店舗やオフィスがリノベーションされて綺麗な状態になると、顧客からのイメージがアップしやすい点がメリットです。印象の良い綺麗なオフィスなら、取引先との関係構築にも役立ちます。

小売店や飲食店の場合、顧客に「このお店に入ってみたい」と思ってもらえるお店づくりに繋がります。店舗に入ってもらえるようになれば、取り扱う商品の売り上げ向上にもなるでしょう。

従業員のモチベーションが上がる

オフィスや施設がリノベーションで綺麗になると、従業員のモチベーションアップに繋がりやすいです。オフィスの場合、ミーティングスペースを十分に確保すれば、従業員間のコミュニケーションも後押しできます。

従業員が動きやすいレイアウトにリノベーションすれば、無理のない動線で効率良く働けます。ストレスなく作業できると業務にも集中できるでしょう。

経費削減に繋がる

リノベーション自体には費用がかかりますが、レイアウトの変更や設備の最新化によって業務効率が上がり、生産性向上に繋がる可能性が高いです。

古い設備を使っていたことで生じていた手間や、暖房機器などの効きが悪くて通常以上に暖房を稼働させていたなどの無駄を軽減できるため、結果として経費削減に繋がるでしょう。

施設やオフィスをリノベーションする際の注意点


リノベーションをする際に注意したいポイントを解説します。

  • 費用相場を把握する
  • リノベーションのイメージを明確に伝える

上記の注意点を把握し、施設やオフィスのリノベーションを進めましょう。以下で詳しく解説します。

費用相場を把握する

リノベーションにかかる費用相場を把握していないと、提案された費用が適正なのか判断できません。相場を確認する際は、リノベーションしたいスペースの面積や使う資材、内容などを明確にした上で、相場の把握や予算の上限を決定してください。

リノベーション例もあわせて、費用相場を把握してから見積もりをお願いすると良いでしょう。複数の業者に見積もり依頼をして比較することで、納得のいく内容でリノベーションを進めやすいです。

リノベーションのイメージを明確に伝える

どのようなリノベーションをしたいか、希望を業者に伝えると、満足できる仕上がりになります。イメージが業者に伝わっていないと相違が生じ、トラブルが発生する可能性もあるため、まずはイメージの共有からはじめましょう。

リノベーションの予算も明確に伝えた上で、予算内でイメージどおりのリノベーションをするために、どうしても譲れない部分やこだわりたい部分を伝えることも大切です。

建物のリノベーションを検討中なら
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建物のリノベーションをする場合、どのようなリノベーションが可能なのか、リノベーションの費用相場とあわせてリノベーション例などを比較する必要があります。

施設やオフィスのフルリノベーションを検討している方は、ぜひJAPAN BUILDの 「建物リニューアルEXPO」にご参加ください。

JAPAN BUILDの建物リニューアルEXPOとは、リノベーション設計・工事、給排水管補修工事、ドローン外壁診断、警備ロボットなどの会社が出展し、住宅メーカー、設計事務所、工務店、リフォーム会社などが来場する、建物リニューアルの専門展示会です。

毎年東京と大阪で年2回開催しており、併催するセミナ-では最新の業界動向や各社の取り組み、出展社の製品・事例紹介が行われています。

2024年東京展では、建物環境設計ソフトウェア「FlowDesigner」を開発した「株式会社 アドバンスドナレッジ研究所」、幅広い建築材料を取り扱う「株式会社エービーシー商会」、店舗やオフィスのリノベーションで活用されるタイルを取り扱う「SRカラリエイト株式会社」などが出展予定です。

また、2024年大阪展では、給水や給湯などの配管資材総合メーカーである「株式会社 オンダ製作所」、外壁塗装や修繕など外装リフォームを専門に行う「トゥインクルワールド 株式会社」、薄型サインエーパネルなどのLEDサインを取り扱う「株式会社 セルテック」などが出展しています。

出展側は、決裁権限を持つ来場者に直接製品を比較検討してもらえるので、自社の製品やサービスが広く認知され新規商談のチャンスに繋がります。ぜひ、JAPAN BUILDの「建物リニューアルEXPO」への出展や来場をご検討ください。

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【展示会 開催情報】

<東京展>会期:2024年12月11日(水)~13日(金)10:00~18:00(最終日のみ17:00終了)会場:東京ビッグサイト

<大阪展>会期:2025年8月27日(水)~29日(金)  10:00~17:00 会場:インテックス大阪

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費用相場を把握してフルリノベーションを検討しよう


業種やオフィスの規模などによって、フルリノベーションにかかる費用は異なります。リノベーション費用を予算内に抑えるには、リノベーションしたい箇所を明確にし、利用できる助成金や補助金がないか確認すると良いでしょう。

費用相場を把握していないと、業者から提案された費用が適正かどうか判断できません。費用の相場を把握した上で、オフィスや施設のリノベーションを考えることで、納得できるリノベーションを行えます。

施設やオフィスのリノベーションを検討しているなら、JAPAN BUILDの「建物リニューアルEXPO」への出展・来場をご検討ください。リノベーションに関わる製品やサービスを手がける会社は、参加することで新規顧客獲得にも繋がるでしょう。

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監修者情報

(株)ローバー都市建築事務所 代表取締役 野村正樹
一級建築士 / インテリアコーディネーター / 宅地建物取引士 / 古民家鑑定士一級

同志社大学法学部を卒業後、京都工芸繊維大学造形工学科へ編入学。(株)NEO建築事務所を経て、2000年「ローバー都市建築事務所」設立。後に、京都工芸繊維大学大学院建築設計学 前期博士課程修了。2006~2018年 毎日新聞京都版 朝刊「きょうと空間創生術」第1回~第274回執筆掲載。

ローバー都市建築事務所の公式ホームページはこちら
https://www.rover-archi.com/

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