床材種類ごとの特徴を紹介!
リビングや寝室など部屋別のおすすめ素材や選び方も

床材には様々な種類があり、どの部屋にどの床材が合うのか迷う方も多いでしょう。床材は部屋によって向き不向きがあるので、特徴を知らずに選んでしまうとメンテナンスなどで苦労するかもしれません。

この記事では、床材種類ごとにメリットやデメリットも含め特徴を解説します。あわせて部屋ごとにおすすめの床材種類や、価格の目安も紹介します。

新居やリノベーションで床材の種類を詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

主な床材種類の特徴とメリット・デメリット


床材種類には主に以下の8つが挙げられます。

  • 無垢フローリング
  • 複合フローリング
  • クッションフロア
  • フロアタイル
  • カーペット
  • タイル

それぞれの特徴やメリット、デメリットを解説します。

● 無垢フローリング

無垢フローリングは、木から1枚の板を切り出してフローリングにした床材です。木の質感や風合いが感じられ、温かみのある雰囲気の部屋に仕上がります。時間が経つほどになじんでいくため経年変化を楽しめる点もメリットです。

デメリットはお手入れの大変さ、湿度変化による割れや反りがある点です。例えば水をこぼした際は、すぐに拭かないと染み込んでしまいシミができるなど、手入れに気を遣う必要があります。

● 複合フローリング

複合フローリングとは、薄い板を重ね合わせた「合板」の上に薄い天然木や化粧シートを貼り合わせたタイプのフローリングです。

天然木の場合は、シートの厚みによって「挽板」「突板」に分かれています。以下でそれぞれのメリット・デメリットを紹介します。

挽板(ひきいた)

2~3mmほどの厚みの木材を合板に張り合わせたフローリングを挽板といいます。

見た目は無垢フローリングのような高級感が出ますが、無垢材に比べると反りや割れに強い点がメリットです。一方、無垢材と同様にメンテナンスが大変な点がデメリットです。

突板(つきいた)

突板とは、0.2~0.5mmほどの薄いシート状の木材を合板に張り合わせたフローリングです。軽いので施工が簡単で品質が安定しており、無垢材や挽板に比べるとリーズナブルなのも魅力です。

デメリットは、木が持つ温かみのある雰囲気はあまり感じられない点が挙げられます。

化粧シート

化粧シートの複合フローリングは、天然木ではなく塩化ビニールのシートが合板に張りあわせてある床材です。

様々な色柄が楽しめる点や価格のリーズナブルさ、水拭き可能などお手入れの簡単さなど、メリットがたくさんあります。

しかし、天然木のフローリングに比べると温かみがなく、木ならではの経年変化が楽しめない点がデメリットです。

● クッションフロア

クッションフロアとは塩化ビニール素材の床材で、質感がやわらかくクッション性があるので高齢者や子どもがいる家に向いています。水拭きができるので水周りにもおすすめの素材です。

人工物なので安っぽく見えやすく、熱に弱い点がデメリットです。例えば、誤ってアイロンを直に置いてしまったり熱湯をこぼしたりすると溶ける恐れがあります。

● フロアタイル

フロアタイルはポリ塩化ビニール樹脂素材もしくはセラミック(陶器)で作られた床材です。硬さがありキズに強く、重い家具を置いても床材がへこみにくい点がメリットです。

ただし、防音性に欠けるため、階下に人が住んでいる場合は足音に注意が必要です。また、塩化ビニール素材の場合は熱に弱いので床暖房との組み合わせには向いていません。

● カーペット

カーペットは繊維が埋め込まれたタイプの床材で、素材はウールやリネンなどの天然素材とナイロンやポリエステルなどの化学繊維に分かれます。

表面の毛先(パイル)が切られた「カットパイル」と丸く輪になった「ループパイル」、両方の性質を併せ持つ「カット&ループパイル」があるので、好みにあわせて選ぶと良いでしょう。

カーペットは、はだしで歩いても感触が良く、冬でも足元の温かさをキープしてくれるメリットがあります。

一方、ダニが発生しやすくこまめに掃除機をかけるなど、手入れに気を遣う必要がある点はデメリットです。

● 畳

畳は日本の伝統的な床材で、天然のい草を使ったタイプが主流ですが、最近は化学素材のタイプもあります。

畳の匂いにリラックス効果がある点や保温、調湿効果があるので快適に過ごしやすい点が魅力です。

デメリットは表替えや裏返しなどのメンテナンスが大変なのに加え、劣化しやすく定期的に買い替える必要があるので、維持費がかかります。

● タイル

タイルは陶磁器や石でできた床材です。

日本ではトイレやキッチンなどの水回りや玄関の床材としての使用がメジャーですが、海外ではリビングに使うケースもよく見かけます。タイルは掃除しやすく見た目がスタイリッシュで、おしゃれに見えます。

一方、硬い素材なので防音性がなく、床に座って過ごす時間が長いと腰やお尻が痛くなりやすい点はデメリットです。

● 石

大理石や御影石などの天然石を使った床材で、高級感があり耐久性が高いです。

ただし、硬いものを落とすと床材が割れてしまうかもしれません。

最近はパネル状の施工しやすいタイプも存在しますが、一部のみの交換や修理が難しいことが多く、割れてしまうと広い範囲の修理や交換が必要です。修理コストも高い点がデメリットといえます。

【部屋別】おすすめの床材を紹介


床材はそれぞれ特徴が異なるため、各部屋にあった床材選びが重要です。部屋の種類ごとにおすすめの床材を紹介します。

  • リビング
  • 寝室
  • 子ども部屋
  • 玄関
  • 水回り(トイレ、キッチン、脱衣所)

● リビングにおすすめの床材

リビングにおすすめの床材は以下の5つです。

  • フローリング
  • クッションフロア
  • フロアタイル
  • カーペット

リビングの床材を選ぶ時は、以下のポイントを意識すると良いでしょう。

  • リビングでの過ごし方
  • 手入れのしやすさ
  • 見た目

リビングでの過ごし方を基準に決める場合、例えば床の上でくつろぐ時間が長いならクッションフロアやカーペットなど柔らかめの素材だと足腰の負担が少ないです。

手入れのしやすさで決めるなら、フロアタイルや石、クッションフロアは水拭きができるので掃除しやすいでしょう。

見た目で決めるなら、家具との調和を考えて素材を選ぶと雰囲気のある部屋になります。

● 寝室におすすめの床材

寝室の床材にはカーペットや畳がおすすめです。カーペットには吸音効果があるため、比較的部屋を静かに保てます。また、足元が冷えにくい点もメリットです。ダニが気になる場合は、防ダニタイプのカーペットを選ぶと良いでしょう。

布団で寝る場合はカーペットではなく畳にするのもひとつの選択肢です。畳に使われる「い草」にはリラックス効果があるとされており、安眠の手助けをしてくれます。

● 子ども部屋におすすめの床材

子ども部屋にはフローリングやカーペットがおすすめです。フローリングは飲み物やおやつをこぼした場合でもお手入れしやすいメリットがあります。

ただし、表面の仕上げによっては、おもちゃなどが当たってフローリングにキズがつきやすい点はデメリットです。

カーペットは防音性が高く柔らかいので、転んだ時の衝撃も和らぎ安心ですが、カーペットにはダニやほこりが発生しやすく掃除に気を配る必要があります。

● 玄関におすすめの床材

玄関には、丈夫で硬い床材がおすすめです。主に以下の床材が向いています。

  • タイル
  • モルタル

タイルは色や模様のバリエーションが豊かで、天然石風や木目風の商品もあり、和洋どちらにも対応できます。

石は模様がひとつひとつ違うのに加え、表面の仕上げによっても風合いが変わります。高級感のある玄関にしたい方に向いた床材です。

モルタルとはセメント、砂、水を混ぜ合わせた床材です。シンプルで素朴な雰囲気の玄関にしたい場合はモルタルが最も雰囲気に合うでしょう。

モルタルに石を混ぜて乾く前に洗い流す「洗い出し仕上げ」や、道具の金鏝(かなごて)を使って平らに仕上げる「金鏝仕上げ」など、モルタルは仕上げ方法で印象が変わります。

● 水回り(トイレ、キッチン、脱衣所)におすすめの床材

水回りにおすすめの素材は以下の4つです。

  • クッションフロア
  • フローリング
  • タイル
  • フロアタイル

水回りは水が飛ぶなど汚れやすいので、床材を選ぶ際は掃除のしやすさを重視すると良いでしょう。タイルやフロアタイル、クッションフロアは水に強く、水拭きもできるので綺麗に保ちやすいです。

ただし、クッションフロアはやわらかい素材なので棚などの重い家具を置くと、床材に跡がつくかもしれません。

フローリングの場合は仕上げによって水への強さが変わるため、ウレタン仕上げなどツルツルとした仕上げの床材がおすすめです。

木の質感を活かした仕上げの場合、水や油に弱いため手入れが大変なのに加え、使い方にも気を遣わなければなりません。

床材種類ごとの価格目安


床材の種類により価格は異なります。ここでは、床材の価格目安を紹介します。なお、施工の際には施工料金も別途で必要です。

価格の幅が大きい床材は特に、素材やグレードによって価格が異なります。

例えば、同じ無垢材フローリングでも成長の早い針葉樹(スギ、ヒノキなど)の床材の方が、広葉樹(ウォルナット、オークなど)の無垢材に比べて安いです。

予算と機能性、デザインのバランスを取って床材を決めましょう。

床材の販路拡大や製品比較検討したい方は、
JAPAN BUILDの【高性能】 建材・住設EXPOへ


【高性能】 建材・住設EXPOは、床材、フローリング、木材、内装材、断熱材、屋根材、屋根塗装、外壁材、デザイン建材、サステナブル建材などが出展し、設計事務所、工務店、住宅メーカー、リフォーム会社が来場する建材・住宅設備の専門展示会です。

毎年東京と大阪で年2回開催しており、併催するセミナ-では最新の業界動向や各社の取組み、出展社の製品・事例紹介が行われています。

2023年東京展では、国産材の加工に特化してフローリングなどの建材を製作するJスマイル内装材協同組合や、フローリング業界40年で抗ウィルスフローリングを開発したM.J. International Co., Ltd.などが出展した実績があります。

2023年大阪展では、床材を含む建材や建物のリペアを専門に行う株式会社オカショウや、幅広いビジネス展開をしており、内装建材も取り扱うアイリスオーヤマ株式会社の出展がありました。

来場者は実際に製品を見て触れて比較検討ができ、出展側は決裁権限をもつ来場者にも直接製品を確かめてもらえるので、自社製品・サービスが広く認知され商談のチャンスにつながります。やすいです。ぜひ、出展や来場をご検討ください。

JAPAN BUILD【高性能】建材・住設EXPOについて詳細はこちら

なお、出展をご検討の企業様は、こちらもあわせてご確認ください。
JAPAN BUIRD【高性能】建材・住設 EXPOの出展について詳細はこちら

【展示会 開催情報】

<東京展>会期:2024年12月11日(水)~13日(金)10:00~18:00(最終日のみ17:00終了)会場:東京ビッグサイト

<大阪展>会期:2025年8月27日(水)~29日(金)  10:00~17:00 会場:インテックス大阪

【来場希望の方】

<東京展> 12月 東京ビッグサイト開催!

セミナー聴講には別途お申込みが必要です。セミナーお申込みはこちら >

【出展検討の方】

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パンフレット、出展料金、会場レイアウトなど

それぞれの特徴や部屋に合った床材を選ぼう


この記事では、様々な床材種類や特徴を紹介しました。床は面積が大きく素材によって部屋の雰囲気がガラリと変わるため、素材選びは慎重に行いましょう。

手入れのしやすさを考えるならフロアタイルやクッションフロアがおすすめです。見た目を重視したいなら無垢材フローリングや石の床材だとおしゃれな部屋になります。

なお、JAPAN BUILの【高性能】建材・住設EXPOは床材に関する出展もあります。床材の関連商品を扱う企業様はぜひ来場・出展をご検討ください。

JAPAN BUILD【高性能】建材・住設EXPOについて詳細はこちら


監修者情報

(株)ローバー都市建築事務所 代表取締役 野村正樹
一級建築士 / インテリアコーディネーター / 宅地建物取引士 / 古民家鑑定士一級

同志社大学法学部を卒業後、京都工芸繊維大学造形工学科へ編入学。(株)NEO建築事務所を経て、2000年「ローバー都市建築事務所」設立。後に、京都工芸繊維大学大学院建築設計学 前期博士課程修了。2006~2018年 毎日新聞京都版 朝刊「きょうと空間創生術」第1回~第274回執筆掲載。

ローバー都市建築事務所の公式ホームページはこちら
https://www.rover-archi.com/

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