外壁塗装の基礎知識を解説!
塗料の種類や工事の流れ、費用相場や業界の課題点も紹介

外壁塗装には、建物の外壁を紫外線や雨風などから保護し、外壁や建物を長持ちさせる重要な役割があります。大切な住まいを守るためには、外壁材や塗料の種類などに応じた定期的な塗装が欠かせません。

この記事では、外壁塗装の役割や塗料の種類、耐用年数、工事の流れ、費用相場など、外壁塗装に関する基本知識を解説します。

外壁塗装業界の動向や抱えている課題点についてもあわせて紹介するため、外壁塗装への理解を深めたい方はぜひご覧ください。

外壁塗装の役割


外壁塗装の役割は、大きく分けて以下の3つです。

  • 雨風や紫外線から家を守る
  • 外観を一新させる
  • 資産価値を維持する


外壁は紫外線や猛暑、氷結、土砂降りの雨、強風などにさらされ、常にダメージを受けています。毎日の雨風や紫外線などの影響を受けて塗膜の劣化が進むと、外壁を保護できなくなってしまいます。

そこで、外壁の耐久性を高め、外壁や建物自体を長持ちさせるために定期的な塗装が重要です。

外壁塗装を行うと、新築時のような美しい外観を取り戻せます。今までと違う色で塗装すれば、家の外観を大きく変えられます。

さらに外壁塗装には、家の資産価値を維持する役割もあります。築年数が同じでも、定期的なメンテナンスを行っている家と、メンテナンスを行わず劣化が進んでいる家では資産価値に差が生まれます。

将来的に売却する予定がある方にとっても、定期的に外壁塗装を行い、家を長持ちさせることが大切です。

外壁材の種類


外壁塗装は、外壁材や塗料の種類などに応じて定期的に行う必要があります。まずは主な外壁材を紹介します。

  • 窯業系サイディング
  • モルタル
  • 金属サイディング
  • ALC

● 窯業系サイディング

窯業系サイディングとは、セメント質と繊維質を板状に成型したもので、現在多くの住宅に使われています。セメントなどを成型して作るため、様々なデザインを表現できるところが特徴です。

窯業系サイディングは、築10年程度でチョーキング(塗膜の粉状化)が発生します。塗料によっても異なりますが、一般的には、30年程度で塗り替えが必要です。

● モルタル

モルタルは、セメントと砂に水を混ぜて作った外壁材です。サイディングとして建材を張るのではなく、一軒ずつ塗り上げていくため、継ぎ目のないきれいな仕上がりになります。

ひび割れしやすく、劣化が進むほど補修の工程が増えて費用もかさむため、5年~10年程度で塗り替えを検討しましょう。

● 金属サイディング

金属サイディングは、アルミや鉄、ステンレスなどの板金を加工した外壁材です。吸水性が低いため雨や雪が浸透しにくく、凍害や地震による割れなどの心配もありません(※)

ただし、塗膜が劣化すると錆びにつながります。15〜20年で全面補修、3〜5年ごとに塗り替えを検討しましょう。

※ 凍害とは、外壁材の表面についた水分が凍結、融解を繰り返すことで外壁材が劣化する現象

● ALC

ALC(軽量気泡コンクリート)は、コンクリート素材から作られた外壁材で、一般住宅だけでなく商業施設や公共施設などにも使われています。主にRC造や鉄骨造の外壁・床材などに採用されている建材です。

断熱性、耐火性、遮音性、調湿性などに優れた高性能な外壁材ですが、吸水しやすいため定期的なメンテナンスが重要です。塗り替えの目安は約10年ごとです。

外壁塗料の種類と耐用年数


外壁塗装で使用する塗料には様々な種類があり、耐用年数や費用に違いがあります。主な塗料6種類の耐用年数と費用の目安を以下にまとめましたので参考にしてください。

外壁材の種類などによって適した塗料は異なりますが、性能と費用のバランスや選択肢の多さからシリコン塗料が多く使われています。

耐用年数の長い塗料ほど費用は高額ですが、塗装回数が減ると経済的な負担を減らせる可能性もあります。なお、上記の費用はあくまでも目安です。

外壁塗装の費用相場


外壁塗装にかかる費用の目安を紹介します。ただし、実際には住居の大きさ、塗料の種類、外壁の状態などによって大きく変わります。

屋根塗装を同時に行う場合は、一般的に20万円~40万円程度上乗せされます。

外壁塗装工事の流れ


外壁塗装の工事は、一般的に以下の流れで進みます。

①足場の設置
②高圧洗浄
③下地の処理
④養生
⑤下塗り
⑥中塗り、上塗り
⑦点検
⑧足場の解体、清掃

①足場の設置

安全性、作業性を高めるための足場を設置する作業です。水しぶきや塗料が近隣に飛散しないようメッシュシートも取り付けます。

一般的な住宅の場合、半日程度で完了します。

②高圧洗浄

塗料を外壁に密着させるため、加圧した水で水洗いします。

耐久性の高い塗料で塗装しても、汚れが除去されていなければ本来の効果が得られません。数年後に剥がれるなどのトラブルにならないためにも、約1日がかりで外壁の汚れやカビを落とします。

メッシュシートを設置しますが、近隣に水しぶきが飛散する可能性があります。

③下地の処理

塗料を密着させるため、外壁を最適な状態にする作業です。外壁のクラック(ひび割れ)や傷の状態に応じ、必要な補修を行います。

  • ひび割れを専用の樹脂材で埋める
  • シーリングの打ち替えを行う
  • 金属部分の錆びや汚れを落とす(ケレン作業)など

④養生

塗料が付着してはならない部分をビニールやテープなどで覆う工程です。塗料が付着するのを防ぐだけでなく、仕上がりに直接影響します。

養生の主な役割は、以下のとおりです。

  • 窓やドア、植物・花壇などに塗料が飛び散るのを防ぐ
  • 窓枠などの塗る部分・塗らない部分の境目をキレイに仕上げる

⑤下塗り

外壁材の種類に適した下塗り塗料を塗っていく工程です。適した下塗り塗料は、外壁材によって異なります。

下塗りは、仕上げ用塗料を密着させるための重要な役割を持ちます。

⑥中塗り、上塗り

下塗りの乾燥後、中塗り(仕上げ塗り1回目)、上塗り(仕上げ塗り2回目)を行います。

塗装業者によっては、仕上げ塗りを1回しか行わない場合もあります。

仕上げ塗りを1回しか行わなければ、工期は短くなりますが、色あせが早くなったり耐用年数が短くなったりするかもしれません。

⑦点検

上塗りの乾燥後、養生を撤去して点検し、塗り残しなどの不具合があった場合は補修します。

業者による確認後、依頼者も立ち会い、仕上がりや周囲へ塗料が飛散していないかなどを確認する流れです。

⑧足場の解体、清掃

問題がなければ、足場の解体と撤去をして周辺を清掃し、完了報告書や保証書などを受け取って引き渡し完了です。

また、工事後は保証内容に従って定期的な点検が行われます。

外壁塗装工事にかかる期間


外壁塗装工事の一般的な施工期間は、1週間~2週間程度です。外壁塗装と屋根塗装をあわせて行う場合は、2週間~20日程度かかります。

ただし、施工期間は住宅の大きさや天候によっても異なります。外壁塗装の工事は、雨が降ると作業ができません。また、梅雨の時期は湿度が高く塗料が乾燥しにくいため、工期が延びやすい傾向があります。

外壁塗装業者の選び方


外壁塗装には大切な住まいを守る役割があるため、信頼できる業者への依頼が重要です。

しかし、なかには相場よりも高い料金を請求するなどの業者も存在します。そこで、外壁塗装業者を選ぶ際のポイントを解説します。

  • 相見積もりを取る
  • 施工実績や評判を確認する
  • 詳細な見積書を出してくれる業者を選ぶ
  • アフターフォローや保証の内容を確認する

相見積もりを取る

外壁塗装業者を選ぶ際は、相見積もり(複数社から見積もり)を取りましょう。

複数の業者に見積もりを依頼すれば、費用相場を把握でき、1社にのみ依頼するよりも費用を抑えられる可能性があります。また、相見積もりを取れば料金が安すぎる業者を避けられるため、手抜き工事のリスクも防げます。

見積もりを依頼する業者を増やしすぎると、手間や時間がかかるだけでなく決めきれなくなる可能性があるため、2~3社程度にとどめると良いでしょう。

施工実績や評判を確認する

信頼できる業者に外壁塗装を依頼するには、公式ホームページなどで今までの施工実績を確認しましょう。また、外壁塗装業者によっては、実際に外壁塗装を行ったお客さまの声を公表している場合もあります。

各工程の写真や説明が具体的に掲載されている外壁塗装業者なら、より安心して依頼できるでしょう。

詳細な見積書を出してくれる業者を選ぶ

見積書の内容をよく確認し、信頼できる外壁塗装業者かどうかを見極めましょう。確認したい主なポイントは以下のとおりです。

  • 塗装の面積や数量が記載されているか
  • 塗料の種類が記載されているか
  • 3回塗りであることがわかるか
  • 工程ごとに細かく費用が記載されているか
  • 足場設置の項目が記載されているか

また、見積書に不明点がある場合は質問し、納得できるまで丁寧に説明してくれる業者を選びましょう。

アフターフォローや保証の内容を確認する

外壁塗装の保証内容や保証期間は、業者によって異なります。施工後のトラブルを防ぐためにも、保証があるか、保証期間はいつまでか、保証書(書面)を出してもらえるかなどを確認しましょう。

また、施工後も定期的に無料で点検を行ってくれるなど、アフターフォローサービスが充実している外壁塗装業者を選べばより安心です。

外壁塗装業界の動向


住宅リフォーム業界の市場規模は約7.3兆円(2022年)と、拡大傾向が続いています(※1)

様々な業界が新型コロナウイルス感染症によって大きな打撃を受けましたが、在宅時間が増えてリフォーム需要は高まりました。

2023年は、新型コロナウイルス感染症が5類に移行した影響もあり、一時的なリフォーム需要の高まりは落ち着くと予想されますが、以下の理由からリフォーム需要は今後も高まっていく見込みです。

  •  団塊ジュニア世代の持ち家がリフォームの適齢期を迎えている
  • 不動産価格上昇の影響を受けて持ち家のリフォームにシフトする動きがみられる

また、国はカーボンニュートラルの実現や空き家対策などの観点から、リフォーム市場の活性化を推進しています(※2)。こうした背景もあり、今後も堅調な推移が予想されるでしょう。

※1 出典:埼玉県室内装飾事業協同組合 矢野経「2022年住宅リフォーム市場規模」前年比5.7%増の7.3兆円」
※2 カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量から吸収量を差し引き、実質的な温室効果ガスの排出をゼロにすること

外壁塗装業界の課題点


外壁塗装業界は堅調に推移する一方で、以下の課題が指摘されています。

  • 人材不足
  • 利益率の低下
  • 業界イメージの低下

人材不足

外壁塗装業界では、少子高齢化などによる人材不足が深刻化しています。

建設業界の就業者(2022年)は、55歳以上が約36%であるのに対し、29歳以下は約12%と低い水準でした(※)。他の産業と比べても高齢化が進むなか、若者の就職者促進や定着、育成の取り組みが喫緊の課題となっています。

また、質の高い外壁塗装を行うには、長年の経験や知識が必要です。ベテラン職人の高齢化による引退が進めば、職人の技術力低下も深刻化するでしょう。

※ 出典:一般社団法人「日本建設業連合会」

利益率の低下

下請け受注による利益率の低下も、外壁塗装業界の課題のひとつです。

下請け業者は定期的に仕事を得やすく、営業活動の苦労から解放されます。

しかし、下請けで受注すると利益率が低いため、材料費や人件費、宣伝広告費などを削減しなければなりません。サービスの質が低下すれば、トラブルが起きやすくなります。

業界イメージの低下

外壁塗装業者のなかには、「塗り回数を減らす」「割高な料金を請求する」などの悪質な業者も存在します。こうした一部の業者の存在によって、外壁塗装業界全体が悪いイメージを持たれることもあります。

ホームページで施工事例や顧客の声などを発信する、顧客が納得いくまで説明するなどの取り組みを行いながら、信頼を獲得していく姿勢が重要です。

外壁材の販路拡大や新技術を導入するなら
JAPAN BUILDの【高性能】 建材・住設EXPOへ


【高性能】 建材・住設EXPOは、外壁材、内装材、断熱材、屋根材、床材、木材、フローリング、デザイン建材、サステナブル建材などが出展し、設計事務所、工務店、住宅メーカー、リフォーム会社が来場する建材・住宅設備の専門展示会です。

毎年東京と大阪で年2回開催しており、併催するセミナ-では最新の業界動向や各社の取組み、出展社の製品・事例紹介が行われています。

2023年東京展では、外壁の湿式外断熱工法を扱う「株式会社 サンクビット」や、木材の加工や外壁の施工などを行う「株式会社 三和」、物の脱炭素に不可欠な外壁材や内装材などを扱う「HOKKAIDO WOOD(道産木材製品販路拡大協議会)」なども出展しました。

また、2023年大阪展では、ALC(軽量気泡コンクリート)などを扱う「旭化成建材 株式会社」、外壁塗装などの大規模修繕工事・外装リフォームを専門とする「トゥインクルワールド 株式会社」、建物の補修工事全般を行う「株式会社 オカショウ」などが出展しました。

来場者は実際に製品を見て触れて比較検討ができ、出展側は決裁権限をもつ来場者に直接製品を確かめてもらえるので、自社製品・サービスが広く認知され商談のチャンスにつながります。ぜひ、出展や来場をご検討ください。

JAPAN BUILD【高性能】建材・住設EXPOについて詳細はこちら

出展をご検討の企業様は、こちらもあわせてご確認ください。
JAPAN BUIRD【高性能】建材・住設 EXPOの出展について詳細はこちら

 

【展示会情報】

大阪展:2024年9月11日(水)~13日(金)インテックス大阪

東京展:2024年12月11日(水)~13日(金)東京ビッグサイト

 

【来場希望の方】

大阪展 来場登録受付中!

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外壁塗装の必要性を理解して定期的なメンテナンスを


外壁塗装には、紫外線や雨風などによる外壁の劣化を防ぎ、住居を守る役割があります。外壁材や塗料の種類、外壁の状態などに応じ、定期的にメンテナンスを行うことが重要です。

外壁塗装の需要は、団塊ジュニア世代の持ち家がリフォーム適齢期を迎えていることなどから今後も堅調に推移すると見込まれます。

外壁塗装・外壁材の販路拡大や新規導入を図るなら「【高性能】 建材・住設EXPO」への出展・来場をご検討ください。

JAPAN BUILD【高性能】建材・住設EXPOについて詳細はこちら


監修者情報

石橋優介建築設計事務所 代表 石橋優介
管理建築士/一級建築士

1984年 広島生まれ。2009年に広島大学大学院社会環境システム専攻 修士課程修了(建築意匠学研究室)。2009~2012年に株式会社plus’d,architect 一級建築士事務所、2012~2015年に株式会社鳳建築設計事務所、2015~2019年に株式会社あい設計を経て、2019年「石橋優介建築設計事務所」設立。

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