【建物リニューアルEXPO 出展社】ポリウレア樹脂の認知度向上を目指して。日本高強度環境調和型樹脂技術協会様インタビュー
日本高強度環境調和型樹脂技術協会様は、「柔らかいステンレス」と評されるポリウレア樹脂と、そのコーティング施工などを提供する協会です。
「建物リニューアルEXPO」に継続的に出展されている理由は、コンクリート構造物や建築物に樹脂をコーティングし長寿命性と強靭性を付与するという考え方と、ポリウレア樹脂や環境調和型新塗材の認知度を高めるためだったとのこと。
今回は協会長の梅林様に、ポリウレア樹脂の特徴や、出展会場で来場者から寄せられた相談、出展によるメリットなどを伺いました。
【展示会 開催情報】
<東京展>会期:2025年12月10日(水)~12日(金) 会場:東京ビッグサイト
<大阪展>会期:2026年8月26日(水)~28日(金) 会場:インテックス大阪
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「剛と柔の融合」によって国土強靭化に貢献する
――本日はよろしくお願いいたします。まず、貴協会の活動について教えてください。
日本高強度環境調和型樹脂技術協会は、日本の国土強靱化に資する環境調和型の樹脂素材と工法を通じて、インフラの長寿命化・強靭化、予防保全への貢献を目的とする協会です。
当協会は「強いものばかりでは人は守れない」という考えのもと、「剛と柔の融合」をコンセプトとして素材づくりをしております。
強靭化とは、衝撃やエネルギーを分散吸収し、元の形に戻そうとする力、いわゆる復元力を与えることです。この特性を持つ「ポリウレア」という樹脂塗膜でコーティングすることで、インフラなどの重要な構造物に強靭性を付与します。
過去のコンクリートは、使用している砂によっては塩分により錆びやすく、爆裂という現象を引き起こすことがあります。
近年はこのような問題は少なくなっているものの、早期に劣化するコンクリートをコーティングによって長寿命化することは重要な延命&予防保全技術です。
――協会長である梅林様ご自身は、どのようなご経歴をお持ちでしょうか。
私は機械工学系の大学を卒業後、ゼネコンに入社し、土木・機械・電気の3分野を専門としてきました。
その後、地元に帰って土木会社を引き継ぎ、現在は推進工事、管の更生工事、塗装工事を柱とする事業を展開しています。また、アーマライニングス株式会社という化学樹脂メーカーの立ち上げもしており、土木・機械・電気・化学の分野を強みとしています。
現在は大型ドローンの開発製造も手がけ、将来は空域を利用した物流網の構築をベースに地方創生と海外輸出などによる経済的国力復興に寄与することを構想中です。
ペンタゴン外壁に塗られているポリウレア。日本の技術を加えた樹脂と工法を広めるため出展
――「建物リニューアルEXPO」へのご出展を決めた背景、きっかけをお聞かせください。
前提として、当協会を立ち上げたのは国土強靭化と日本のインフラ保全のための技術を世の中に広めるためでした。
米軍を統括するペンタゴン(国防総省本部の建物)の外壁に塗られているポリウレアを国産で開発したのですが、協会の立ち上げ当時、日本ではコンクリート構造物の外部コーティングという考え方自体があまり浸透していなかったのです。
そこで、この工法とポリウレアの認知度を高める必要があると考え、「建物リニューアルEXPO」への出展を決めました。
――ポリウレアの開発経緯についてもお聞かせいただけますか?
当初は製鉄所からスレート屋根の劣化対策工事を依頼されることが多く、米国から輸入したポリウレアのコーティングを提案していました。
国内開発に至ったのは、米国製のポリウレア開発に携わったドイツ人に出会ったことがきっかけです。ユダヤ系のお父様が杉原千畝氏に助けられたそうで、日本が大好きという方でした。
そのドイツ人の方とやりとりをするうちに、ポリウレアそのものの作り方を会得し、米国製ポリウレアをベースとして日本の技術を加えたものが日本で誕生しました。
化学系工場でも需要あり。サンプル展示や実演で訴求
――「建物リニューアルEXPO」出展ブースでは、来場者からどのような悩みやニーズが寄せられますか。
鉄道関係者や不動産業者、ビルオーナー、工場長など、建物関連の様々な方にお越しいただいています。よくいただくのは防水、防食、強化に関するご質問です。
地震が多い日本では防水・防食機能に加えて構造物を強くしたいというニーズがありますので、ポリウレアは衝撃吸収性に優れており、地震対策としても有効だということをご紹介しています。
また、あまり予想していなかったのですが、化学系工場の方からもご相談いただくことがあります。
どれほど対策をしても、化学系工場では万が一の化学物質漏洩防止時の対策として、防液堤を設けたり、腐食しやすい環境に予防保全をしたりする必要があります。
構造物を外からコーティングする需要だけでなく、こうした現場でもポリウレア活用の需要があることを発見する、良い機会になりました。
――ブースで何か工夫されていることはありますか?
基本的に、ポスター掲示と塗膜のサンプル展示を行っています。サンプルは塗膜そのものと、ポリウレアをコンクリートに塗装したもの、スレートに塗装したもの、金属に塗装したものなど何種類も用意し、来場者が手で触れられるようにしています。
広いブースで出展した際はハンマーも用意し、来場者にサンプルを叩いていただく実演コーナーも設けました。来場者はポリウレアの強靭性に非常に驚かれていましたね。実際に叩くことで、インパクトが大きかったようです。
――商談の成立など、出展の手ごたえはどのように感じていらっしゃいますか。
数は多くありませんが、ポリウレアの認知度は確実に高まっていると思います。展示会で紹介することで「こんな技術があるんだね」と知っていただけて、展示会後の問合せも増えているからです。
もしコーティング工事をするとなったら大規模な工事になりますので、一見的なお客さまで数百万円以上の工事を即座に発注される方は少ないですが、現場調査と見積り依頼をいただき採用に繋がることはあります。
また、3年ほど前まではスプレータイプのポリウレアだけを提供していましたが、現在は手で塗れるポリウレアも扱っているため、「手塗りはありますか」と問合せいただくことも増えました。
――スプレータイプと手塗りタイプ、どのような違いがあるのでしょうか。
スプレータイプを使う場合はリアクターという特殊な機械が必要で、メンテナンスも含めた取扱いや操作の訓練もする必要があるので、施工できる方が限られます。
一方、手塗りタイプは刷毛やローラーで誰でも塗れるため、リアクターを導入することが難しい会社や人手が多くない会社の方でも使いやすいのが特徴です。
性能面にも違いがあります。スプレータイプは吹き付けでコーティングするため、空気を含んだスポンジ状の構造になり、熱や振動が伝わりにくく、伸び率は400%以上と非常に高いです。
一方、手塗りタイプは塗る際に空気が入りません。そのため、引張強度は35メガパスカル以上になり非常に緻密な高強度塗膜となり、液体や薬品などに侵されにくい性質があります。しかし、伸び率は50%程度です。
要求性能、コーティングする面積やその場所の特性に応じて、スプレータイプと手塗りタイプを使い分けることが重要です。
「作る」だけでなく経済循環も高めることが、
国土強靭化に繋がる
「作る」だけでなく経済循環も高めることが、国土強靭化に繋がる
――「建物リニューアルEXPO」出展は、貴協会にとってどのようなメリットがあるでしょうか。今後の意気込みもお聞かせください。
これまで6回ほど継続的に出展しており、まず「継続して参加することに意義がある」と感じています。
強靭性付与に高い効果があるポリウレアの認知度向上からはじめましたが、現在は防食用の塗材、下水道でも使えるような耐薬品性の高い塗材、トンネルでも使える燃えにくい素材など、新しい素材も日々開発中です。
今後も、ポリウレアの認知度をさらに上げながら、国土強靭化、ストック型社会の継続に貢献できるよう、たゆまず開発と発信を続けていきたいと思います。
また、材料だけを世に広めるのではなく、その材料を経済循環に織り込む民間業者の皆さんの利益にしていくことも必要です。
民間事業者にとってもコストパフォーマンスの高い素材を作ることで当協会の会員企業にもますます繁栄していただき、ポリウレアという樹脂の普及に繋げたいですね。
その普及によって、日本にある構造物が永く使われて、有事の場合には、強靭性を高める素材が私たちの命を守ってくれると考えています。
――本日は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。
日本高強度環境調和型樹脂技術協会様
【展示会 開催情報】
<東京展>会期:2025年12月10日(水)~12日(金) 会場:東京ビッグサイト
<大阪展>会期:2026年8月26日(水)~28日(金) 会場:インテックス大阪
【出展検討の方】
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出展料金、会場レイアウトなど