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窓断熱の効果や重要性とは?
ガラス・サッシの種類やリフォーム方法も解説
家で快適に過ごすためには、窓の断熱性能が重要です。特に近年日本では、ZEH(ゼロエネルギーハウス)を推進しており、これから建てられる住宅では窓の断熱が必須となると予想されます。
この記事では、窓断熱の重要性やその効果、窓断熱の方法を紹介します。
窓の断熱について詳しく知り、顧客に幅広い提案を行いたいと考えているハウスメーカーや工務店の担当者は、ぜひ参考にしてください。
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窓を断熱する重要性
窓の断熱は、季節を問わず家で快適に過ごすために重要です。窓は家の開口部であり、室外と室内の熱が出入りする場所です。そのため、窓を断熱すれば、冬は暖かく、夏は涼しく過ごしやすくなります。
また、2025年4月からは建築物省エネ法が改正され、住宅にも省エネ基準が適用されます。省エネの観点からも、熱の出入りが激しい窓の断熱化は欠かせません。
窓を断熱化すると得られる効果・メリット
家の窓を断熱化すると得られる効果やメリットは以下の4つです。
- 光熱費を削減できる
- 季節問わず快適に過ごせる
- 結露を減らせる
- ヒートショックを防止できる
それぞれのメリットを詳しく解説します。
光熱費を削減できる
窓を断熱化すると、熱の出入りを減らすことができ、光熱費の削減を期待できます。
熱は50%~74%が窓から出入りしていると言われています。窓の断熱性能が高まると熱の出入りが減少するため、空調の稼働効率が上がり、光熱費の削減に繋がります。
また、省エネルギーで部屋の温度を快適な状態に保てるため、環境保護の観点からも環境負荷を軽減できるメリットがあります。
季節問わず快適に過ごせる
窓の断熱性能が向上すれば、季節に関係なく快適に過ごしやすくなります。熱は温度が高い場所から低い場所に移動する性質があります。
そのため、窓の断熱性能が低いと、冬は室内の暖かさが外に逃げ、夏は外の熱が室内に入ってきやすいです。
窓の断熱性能を高めれば、熱の移動を妨げられるため、真夏や真冬でも快適な気温を保てます。
結露を減らせる
窓の断熱性能を高めると、冬に結露が発生しにくくなります。結露は、寒い外の空気に触れて冷えた窓に、室内の温かい空気が触れて発生するものです。
しかし、窓を断熱化すれば、外気の影響を受けにくくなるため、結露を軽減できます。結露が減れば窓周辺の湿気を抑えられるので、カーテンや壁にカビが生えにくくなり、室内を清潔に保てるでしょう。
ヒートショックを防止できる
窓の断熱には、ヒートショックを防ぐ効果もあります。ヒートショックとは、気温の変化で血圧が急激に上下することで、心臓や血管の疾患が起こる危険な症状で、命に関わるケースもあります。
特に、室内の気温差が激しい冬場はヒートショックを起こしやすいため、注意が必要です。
窓の断熱を行えば、家全体が一定の温度に保たれて気温差が少なくなるので、ヒートショックの予防に繋がります。
断熱窓とは?ガラスの種類も紹介
窓の断熱性能を高める方法のひとつとして、断熱窓の設置があります。断熱窓は、熱の移動を防ぐために工夫された窓です。断熱窓のガラスの種類は以下のとおりです。
- ペアガラス
- Low-E複層ガラス
- トリプルガラス
それぞれの特徴を詳しく解説します。
ペアガラス
ペアガラスは2枚のガラスを重ねた窓ガラスです。また、複数のガラスを重ねた窓ガラスを「複層ガラス」と呼びます。
2枚のガラスの間に空気の層を作ると、断熱性能が向上します。ペアガラスは断熱ガラスの中でも比較的リーズナブルのため、取り入れる住宅が多いです。
ガラスとガラスの間に空気ではなくガスを入れるとさらに断熱性能が向上しますが、その分価格も高くなります。
また、「真空ガラス」といって中間の層を真空にして、通常の複層ガラスの2倍程度に断熱性能を高めたタイプもあります。
トリプルガラス
トリプルガラスは、名前のとおり3枚のガラスを重ねた窓ガラスです。中間層が2層になるため、ペアガラスよりも断熱性能が高く、さらに遮音性能も向上します。しかし、窓自体が厚く重くなるため、開閉がしづらくなるデメリットもあります。
特に、よく開け閉めする窓や大きな掃き出し窓では、使いやすさも考えた上でトリプルガラスを採用するか検討しましょう。
Low-E複層ガラス
Low-E複層ガラスは、ガラス表面に「Low-E膜」と呼ばれる金属膜をコーティングした窓ガラスです。Low-Eとは「Low Emissivity(低放射)」の略で、熱を吸収・反射する性質を持つため通常の複層ガラスよりも高い性能を発揮します。
Low-E複層ガラスは膜がコーティングされる位置によって、遮熱タイプと断熱タイプの2種類に分かれます。
種類 |
Low-E膜の位置 |
特徴 |
遮熱 |
屋外側 |
|
断熱 |
屋内側 |
|
遮熱タイプは太陽の熱をカットし、断熱タイプは夏には太陽の熱を遮断し、冬には太陽の温かさを取り込みます。家を建てる地域の気候や、日当たりの良さでどちらのタイプを選ぶか決めましょう。
サッシの種類
窓の断熱性能を高めるには、ガラスだけでなくサッシ部分の素材も重要です。従来はアルミサッシが主流でしたが、現在では以下のとおり断熱性の高い素材が増えました。
- 樹脂
- 木製
- 複合
それぞれの特徴を詳しく解説します。
樹脂サッシ
樹脂は熱伝導率が低い特徴があり、その熱伝導率は以前の主流素材だったアルミに比べて約1000分の1ほどです。
世界的には樹脂サッシが主流ですが、日本ではまだ広がっておらず、普及率は住宅全体の3割ほどにとどまります。
木製サッシ
木製サッシは、木を使用したサッシです。アルミに比べて熱伝導率が低く、見た目にも高級感があります。
しかし、耐久性が他の素材に比べて低く、定期的な塗装の塗り直しが必要でメンテナンスに手間がかかります。また、価格も樹脂やアルミサッシに比べると高価です。
複合サッシ
複合サッシは、アルミと木や樹脂を組み合わせたサッシです。耐候性が必要な外側にはアルミ、断熱性を高めたい室内側には木や樹脂を使用して、耐久性と機能性を両立させたタイプです。
日本では複合サッシが最も普及していますが、樹脂や木だけでできたサッシに比べると断熱性は劣ります。
リフォームで窓を断熱化する方法
現在の家の窓を断熱化する方法として、窓を断熱するリフォームがあります。リフォームの方法は以下の3つです。
- 窓ガラスの交換
- 窓の交換
- 内窓の設置
それぞれの方法を詳しく解説します。
窓ガラスの交換
サッシはそのままにして、今の窓のガラスを断熱性の高いタイプに交換する方法があります。
窓ガラスのみの交換となるため、費用を抑えられます。また、大きな窓であればあるほど、ガラスの交換で断熱効果を実感しやすいです。
ただし、サッシに歪みがあると隙間風が入る原因となり、窓ガラスを交換しても断熱効果を感じられない場合があるので注意が必要です。
窓の交換
窓ガラスやサッシを含めて窓全体を交換するリフォーム方法もあります。窓交換の工法は以下の2つです。
- カバー工法
- はつり工法
カバー工法は、今のサッシに新しいサッシを被せる方法です。作業が短時間で済み騒音が少なく費用も抑えられますが、今の窓より開口部が小さくなるデメリットがあります。
一方、はつり工法は壁を壊してサッシを取り外し、新たに窓を取り付ける方法です。作業が大掛かりになるため費用は高いですが、窓の大きさを今と同じにできたり、今よりも大きくできたりします。
内窓の設置
今ある窓の内側にもうひとつ窓を取り付け、断熱する方法もあります。
内窓を設置すると、断熱効果だけでなく防犯や防音の面でも効果があります。しかし、開け閉めや掃除に手間がかかる点はデメリットです。
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窓の断熱性能を上げるには、ガラスやサッシを含めた窓全体を考える必要があります。
取り扱う商品を増やすためにも断熱性能の高い窓を探しているなら、JAPAN BUILDの「【高性能】建材・住設 EXPO」への来場をおすすめします。
JAPAN BUILDの「【高性能】建材・住設 EXPO」は、設計事務所、工務店、住宅メーカー、リフォーム会社が来場する建材・住宅設備の専門展示会です。
毎年東京と大阪で年2回開催しており、併催するセミナーでは最新の業界動向や各社の取り組み、出展社の製品・事例紹介が行われます。
2024年の東京展では、窓、ドア、インテリア、エクステリアなどの建材製品を開発、提供する(株)LIXIL、現場後施工型後付けLow-Eガラス「アトッチ」や建材一体型太陽光発電ガラス「サンジュール」など様々な省エネ・創エネ製品を手掛けるAGC 株式会社、窓枠や腰壁など豊かな北海道の森から生まれた木材製品HOKKAIDO WOODが出展しました。
2024年の大阪展では、建築材料の生産と販売を一貫する東京宝潤達新材株式会社、塗るだけで結露によるカビを防ぐ「結露とカビ防止ペイント」を製造する和信化学工業株式会社、住まいの心地よさ、省エネ、健康、耐久性の大切さを世の中に提案する日本住環境株式会社が出展しました。
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出展をご検討の企業様は、こちらもあわせてご覧ください。
JAPAN BUILD「【高性能】建材・住設 EXPO」の出展について詳細はこちら
【展示会 開催情報】
<大阪展>会期:2025年8月27日(水)~29日(金) 会場:インテックス大阪
<東京展>会期:2025年12月10日(水)~12日(金) 会場:東京ビッグサイト
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窓を断熱化すれば室内で快適に過ごせる
窓断熱の効果や重要性、具体的なリフォーム方法を紹介しました。窓は外気の影響を受けやすいため、断熱性能を高めれば夏は涼しく、冬は暖かく過ごせます。
断熱ガラスやサッシにも様々な種類があるため、かかるコストや家の周辺環境を考え、それぞれの家にあった断熱窓選びが重要です。
断熱性能の高い窓のラインナップを広げ、施主により幅広い提案をしたいと考えているハウスメーカーや工務店の担当者は、ぜひJAPAN BUILDの「【高性能】建材・住設 EXPO」にご来場ください。
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監修者情報
野村 正樹 (のむら まさき)
(株)ローバー都市建築事務所 代表取締役
一級建築士 / インテリアコーディネーター / 宅地建物取引士 / 古民家鑑定士一級
同志社大学法学部を卒業後、京都工芸繊維大学造形工学科へ編入学。(株)NEO建築事務所を経て、2000年「ローバー都市建築事務所」設立。後に、京都工芸繊維大学大学院建築設計学 前期博士課程修了。2006~2018年 毎日新聞京都版 朝刊「きょうと空間創生術」第1回~第274回執筆掲載。
ローバー都市建築事務所の公式ホームページはこちら
https://www.rover-archi.com/